【深掘り解説】完成品では数%、部品では100%超?SEPロイヤルティの算定基礎と「寄与率」の論理を整理する

EndProduct_v_Component

自動車、スマート家電、工場設備など、あらゆる製品がインターネットにつながり、通信技術(4Gや5Gなど)の標準必須特許(SEP)を巡るライセンス交渉は、異業種間でも、激しくなっています。

知財担当者や経営層が直面する、最も根本的な問いは、「SEPロイヤルティは、製品の何に対して、支払うのか」です。この記事では、算定を巡る四つの切り口(SSPPU、完成品ベース、トップダウン、比較方式)を、整理し、「完成品では数%なのに、部品では100%を超えることがある」という計算上の見え方と、日本の判断で使われてきた寄与率の正体を、2014年と2025年の判断を比較しながら、解説します。

本記事は、一般的な情報提供で、法的助言ではありません。SEPのロイヤルティは、国、裁判所、事案によって異なり、動きの速い分野です。料金は、変更されることがあります。具体的な案件は、専門家にご相談ください。

この記事でわかること

  • 算定の基礎(SSPPU、完成品)と、算定の手法(トップダウン、比較)の違い
  • 累積ロイヤルティ率の実例(LTE、5G、3G)
  • 「完成品で数%、部品で100%超」の、計算上の意味と、注意点
  • 日本の2014年と2025年の判断の違いと、寄与率の二重計上の問題
  • 各国の判断と、Avanciの実務

用語集(先にここだけ読んでもOK)

用語意味
SSPPU特許技術を実際に実装している、最小の販売可能な単位(例:通信チップ、通信モジュール)の価格を、算定の基礎にする考え方
完成品ベース(EMV)スマートフォンや自動車などの、完成品の価格を、算定の基礎にする考え方
トップダウン方式規格全体の累積ロイヤルティを設定し、権利者のシェアを掛けて、個別の料率を出す方法
比較方式実際に締結された、類似のライセンス契約を、ベンチマークにする方法
累積ロイヤルティ率ある規格について、すべての権利者のロイヤルティを、合計した率
ロイヤルティ・スタッキング多数の権利者のロイヤルティが、積み重なって、製品のコストを圧迫すること
寄与率(売上寄与率)製品の売上や利益に、規格への準拠が、どの程度貢献しているかの割合
総ロイヤルティ率ASUS事件(東京地裁、2025年)で使われた用語。規格全体のSEPのロイヤルティの合計の率。寄与を織り込んで、決めるとされた

目次

1. 要点

  • 算定の基礎は、完成品ベースか、部品ベース(SSPPU)か、手法は、トップダウンか、比較かで、争われます。
  • 累積ロイヤルティ率は、数%〜10%程度の例が、多く確認できます(LTE:約6〜10%、5G:約4.3〜5.3%、3G:5%)。
  • 完成品の対価を、部品の価格で割ると、見かけ上、100%を超えることがあります。これは、計算上の見え方で、法的な原則では、ありません。
  • 日本の2014年の判断は、売上寄与率と、**累積ロイヤルティの上限(5%)**を、別々の要素として、掛けました。2025年の判断は、総ロイヤルティ率に、寄与を織り込み、寄与率を、重ねて掛ける計算を、二重計上として、退けました。
  • 世界の判断は、比較方式を中心にする国(英国、インド)と、トップダウンを併用・重視する国(中国、日本、ドイツの一部)が、あり、事案によります。

2. 算定を巡る四つの切り口

2-1. 算定の基礎:SSPPU と 完成品ベース

考え方内容主に主張する側
SSPPU特許技術を実装している、最小の部品(通信チップ、通信モジュールなど)の取引価格を、基礎にする実施者側
完成品ベース(EMV)消費者に販売される、完成品(スマートフォン、自動車など)の価格を、基礎にする権利者側

SSPPUは、もともと、米国の特許侵害の損害賠償の議論から、SEPのライセンスの議論に、持ち込まれた概念です。米国の裁判所も、常に、SSPPUを、要求するわけでは、ありません。世界共通の基準は、なく、国、裁判所、事案によって、判断が分かれます。

2-2. 算定の手法:トップダウン と 比較方式

手法内容
トップダウン規格全体の累積ロイヤルティ(上限)を想定・設定し、権利者の必須特許の割合(シェア)に応じて、個別の料率を出す
比較方式(コンパラブル)実際に締結された、類似の契約を、ベンチマークにし、アンパッキング(特殊な要因の除去)と、リパッキング(再調整)を行う

3. 累積ロイヤルティとは

累積ロイヤルティとは、実施者が、1つの標準規格(4G、5G、Wi-Fiなど)に準拠した製品を、製造販売するために、世界中の権利者に支払うべきライセンス料の合計です。

通信規格には、数万件もの必須特許があり、各権利者が、個別に、製品価格の1%などを、主張し、積み上げると、合計が、製品価格を超えかねません(ロイヤルティ・スタッキング)。これを避けるため、「規格全体の累積ロイヤルティの上限は、何%が妥当か」という、トップダウンの視点が、重視されます。

3-1. 累積ロイヤルティ率の実例

事案規格累積ロイヤルティ率
アップル・サムスン事件(知財高裁大合議、2014年)3G(UMTS)5%(当事者が、前提とした、累積ロイヤルティの上限)
Unwired Planet v Huawei(英国、2017年)4G(LTE)約8.8%(判決文の記載)
TCL v Ericsson(米国、2017年)4G(LTE)6〜10%(のちに、手続上の理由で、取り消されたと報じられている)
Huawei v Samsung(中国、2018年)4G(LTE)6〜8%
OPPO v Nokia(中国・重慶、2023年)5G4.341〜5.273%(4Gの6〜8%を、入力値として算定。世界で初めての、5Gの累積ロイヤルティ率の判断)
Pantech v ASUS(東京地裁、2025年)4G(LTE)、5G対応製品LTE対応製品は9%、5G対応製品は最大8%

したがって、「完成品の累積ロイヤルティは、数%〜10%程度」という整理は、これらの例と、おおむね合います。ただし、個々の数字は、事案、規格、算定の方法によって、異なります。


4. 「完成品では数%、部品では100%超」の意味

4-1. 計算上の見え方(架空の例)

以下は、計算の仕組みを説明するための、架空の数字です。

項目仮定
スマートフォンの価格600ドル
累積ロイヤルティ率(仮)5%
規格全体のSEPの対価(絶対額)600ドル × 5% = 30ドル
通信モジュールの価格25ドル
部品価格に対する、見かけ上の比率30ドル ÷ 25ドル = 120%

完成品で、ロイヤルティを計算する場合は、**価格の5%**に見えます。同じ、30ドルの対価を、部品の価格で割ると、**120%**に見えます。これは、「対価の絶対額」が、部品の価格より、大きいために、起きる、見かけ上の比率です。

4-2. この説明が、よく使われる理由と、注意点

論点内容
権利者側の説明技術の価値は、どの階層でライセンスしても、同じはず。部品ベースで、部品価格の数%に抑えると、同じ技術の価値が、過小評価される
実施者側の説明部品ベース(SSPPU)で、算定すれば、部品の価値に見合った、対価になるはず。完成品の価格を基礎にすると、特許と関係のない価値(デザイン、他の機能、ブランドなど)まで、含まれる
注意「部品に対して100%を超えるロイヤルティは、完全に妥当」と言い切れる、確立した法理は、ありません。これは、計算上の見え方の説明であり、どの階層で、いくらを、誰が払うかは、別の論点(LTAとAFA、二重取り)です

また、4-1の「120%」は、累積ロイヤルティ率とは、別の数字です。累積ロイヤルティ率は、通常、完成品の価格に対する率で、「部品に対して100%の累積ロイヤルティ率」と、いう言い方は、誤解を招きやすいため、注意が必要です。


5. 日本の判断と、寄与率の正体

5-1. アップル・サムスン事件(知財高裁大合議、2014年5月16日)

項目内容
事案UMTS(3G)のSEPに基づく、Samsungの損害賠償請求(FRAND条件によるライセンス料相当額)。Appleの製品(iPhone、iPadなど)が対象
計算式(製品の売上高 × 規格準拠の売上寄与率)× 累積ロイヤルティの上限(5%)÷ 必須特許の数(529件)
売上寄与率(B)製品の売上のうち、UMTS規格に準拠していることが、貢献した割合
5%累積ロイヤルティの合計が、高くなりすぎないようにする(ロイヤルティ・スタッキングを避ける)ための、上限。当事者が、前提とした数字(業界の過去の発言などが、根拠)
529件UMTS規格の必須特許の数。個々の特許の価値は、同じと推定し、件数で割った

5-2. Pantech v ASUS(東京地裁、2025年4月10日)

項目内容
事案LTEのSEPに基づく、損害賠償(FRAND条件によるライセンス料相当額)。ASUSの製品が対象
計算式売上高 × FRAND料率。FRAND料率 = LTE規格全体の総ロイヤルティ率 ÷ LTEの必須特許の総数 × 本件の特許の件数
総ロイヤルティ率LTE対応製品は9%、5G対応製品は最大8%。Unwired Planet(約8.8%)、TCL v Ericsson(6〜10%)、Huawei v Samsung(6〜8%)の、上限の平均が、約8.9%であることを、参照
寄与の扱い総ロイヤルティ率を決める際に、通信以外の貢献(カメラ、CPU、ディスプレイ、バッテリー、音声、ブランドなど)が、売上に貢献していることを、織り込んだ。5G対応製品は、LTEの貢献が、LTE専用機より小さいとして、料率を、下げた
必須特許の総数1,300件(Unwired Planetの約800件は、2017年のもので、その後に増えたとして、採用せず。Unified Patentsの調査の1,817件も、有効性などを考慮して、採用せず)
比較方式Pantechの、他社とのライセンス契約は、比較対象として、不十分とした

5-3. 寄与率の二重計上の問題

ASUS事件で、被告は、「LTE規格の寄与率(25%)」を、複数の判決の累積ロイヤルティ率の平均(7.9%)に、さらに掛けて、0.0198%と、主張しました。裁判所は、これを、次の理由で、退けました。

  • 総ロイヤルティ率は、すべてのSEPが、製品に使われた場合の、売上や利益への寄与を、考慮して、ロイヤルティ・スタッキングを避ける範囲で、決めるものである。
  • 寄与率を、さらに掛けると、寄与を、二重に、掛けることになり、著しく過小な料率になる。
  • アップル・サムスン事件の「累積ロイヤルティ」と、Unwired Planetの「累積ロイヤルティ」は、同じ概念である(文言を、形式的に比較してはならない)。

つまり、「寄与率」と「累積ロイヤルティ率」を、別々に、重ねて掛けると、二重計上になる場合があります。元の式(2014年)の、5%は、「寄与(B)を掛けた後の、売上に対する累積の上限」として、使われていますが、2025年の判断は、寄与を、総ロイヤルティ率の中に織り込む整理を、とっています。

5-4. 2014年と2025年の比較

項目2014年(アップル・サムスン事件)2025年(Pantech v ASUS)
規格3G(UMTS)4G(LTE)、5G対応製品
基本の式(売上高 × 売上寄与率)× 累積ロイヤルティの上限5% ÷ 必須特許の数売上高 × 総ロイヤルティ率 ÷ 必須特許の総数 × 特許の件数
寄与率独立した要素として、掛ける総ロイヤルティ率に、織り込み済み。別に掛けると、二重計上
累積ロイヤルティ5%(当事者が、前提とした数字)9%(LTE)、最大8%(5G対応製品)
必須特許の数529件1,300件(LTE)
個々の特許の価値同じと推定し、件数で割る同じと推定し、件数で割る
枠組みの根拠大合議判決の判断枠組み2019年の知財高裁大合議判決(特許法第102条第3項の算定の枠組み)に基づき、国際的な裁判例の動向を踏まえて、日本も、対応すべきとした
2014年の判断との関係—当事者の主張立証の違い、規格の違いから、2014年の料率と、単純に、比較することは、適切でないとした

5-5. 計算例(架空):二重計上の効果

以下は、仕組みを説明するための、架空の数字です。

計算内容
売上高(1台あたり)600ドル
2014年型の式600ドル × 寄与率(仮に30%)= 180ドル。180ドル × 5% = 9ドル(規格全体のSEPの合計)。必須特許が529件なら、1件あたり 9ドル ÷ 529 = 約0.017ドル
2025年型の式600ドル × 総ロイヤルティ率(仮に9%)= 54ドル(規格全体のSEPの合計)。必須特許が1,300件なら、1件あたり 54ドル ÷ 1,300 = 約0.042ドル
二重計上の例総ロイヤルティ率(9%)に、さらに寄与率(仮に30%)を掛けると、600ドル × 9% × 30% = 16.2ドル。寄与が、二重に反映され、過小になる

2014年型と2025年型は、式の前提(寄与率の位置、累積ロイヤルティの数字、必須特許の数)が異なるため、結果を、単純に、比較できません。

5-6. 経済産業省の考え方(令和2年)

経済産業省の「マルチコンポーネント製品に係る標準必須特許のフェアバリューの算定に関する考え方」(令和2年4月21日)は、①ライセンスの主体は、License to All(取引段階にかかわらず、希望するすべての者にライセンス)、②ロイヤルティは、トップダウン方式で、算定、③ロイヤルティは、SEPの技術を実施する主たる製品の価値のうち、**SEPの技術が貢献している部分(寄与率)**に基づいて、算定する、と整理しています。本質的な問題は、SSPPUかEMVかではなく、寄与率に基づく算定です。これは、法的拘束力のない考え方です。


6. 世界の判断:比較方式とトップダウン

国・事案手法の傾向
英国(Unwired Planet、2017年)比較方式で、基準となる料率を出し、トップダウン(累積ロイヤルティと、ポートフォリオのシェア)を、検証として使った。累積ロイヤルティは、約8.8%(LTE)
英国(InterDigital v Lenovo、2023年。Optis v Apple、2025年。Samsung v ZTE、2026年)比較方式が中心。トップダウンの検証は、比較方式と整合しない場合などに、退けられる例が、ある
米国(TCL v Ericsson、2017年)累積ロイヤルティ(6〜10%)と、シェアによる算定。のちに、手続上の理由で、取り消されたと、報じられている
中国(OPPO v Nokia、2023年)トップダウン(5Gの累積ロイヤルティ率は、4.341〜5.273%)と、比較方式を、併用。5Gの単独モードの料率は、累積ロイヤルティ率と、Nokiaのポートフォリオの強さの比の積
インド(Ericsson v Lava、2024年、デリー高等裁判所)比較方式を、トップダウンより、優先。端末の純販売価格の**1.05%**で、約244クロール・ルピー(約2,990万ドル)の損害賠償と、5%の利息を認めた。ライセンスの比較対象として、類似の企業との、54件のライセンスが、考慮された
日本(アップル・サムスン事件、2014年。Pantech v ASUS、2025年)トップダウン型の算定(累積ロイヤルティ÷必須特許の数)。2025年の判断は、比較方式を、併用せず(比較対象が、不十分と判断)
ドイツ(2026年のZTE v Samsung、ミュンヘン地裁)比較対象が不足するとして、トップダウン分析を行い、和解の金額を、提案したと報じられた

「世界の司法実務は、トップダウンと経済分析の融合が、標準になっている」と、一言で、整理することは、できません。国と事案によって、比較方式が中心の場合と、トップダウンが中心の場合が、あります。


7. 算定基礎と、実務:Avanci と LTA/AFA

7-1. 完成品ベースの実務(Avanci)

項目内容
仕組み自動車向けのプールで、完成車メーカーと、直接契約し、車両単位の定額で、ライセンス
料金の例2023年の報道で、5Gは1台あたり32ドル(早期は29ドル)、4Gは最大20ドル。現在の料金は、公式サイトで、確認が必要
位置づけ価格に連動しない、完成品単位の定額。完成品の価格に対する率(EMV)で、計算するのとは、異なる
広がり2026年9月に、中国のメーカーとの契約が20件に(中国の輸出上位10社のうち7社)。ただし、これは、実務の広がりで、LTAとAFAの議論の決着では、ありません

7-2. LTAとAFA

立場内容
LTA(License to All)権利者は、取引段階にかかわらず、希望するすべての者に、ライセンスしなければならない。経済産業省は、この考え方を示している
AFA(Access for All)権利者が、ライセンスの相手の段階(通常は、完成品)を選べる

世界的な結論は、出ていません。部品メーカーの立場では、部品ベースの算定(SSPPU)を、求める傾向があり、完成品メーカーを相手とするライセンスでは、完成品ベースが、中心になります。

7-3. 契約の実務で、確認すること

確認項目内容
算定の基礎完成品の価格か、部品の価格か、車両単位の定額か
ライセンスの主体誰が、ライセンスを受け、費用を負担するか
二重取りサプライチェーンの別の段階で、重複した対価が、生じないか
補償との整合サプライチェーンの契約の、特許補償の責任が、上流と下流で、矛盾していないか

8. 実務のチェックリスト

確認項目内容
算定の基礎完成品、部品(SSPPU)、車両単位の定額のいずれか。契約に、明記したか
手法比較方式か、トップダウンか。国・裁判所の傾向を、確認したか
累積ロイヤルティ前提とする数字(数%〜10%程度の例)の、根拠を、確認したか
寄与率累積ロイヤルティ率の中に、寄与が、含まれていないか。二重に、反映していないか
必須特許の数分母(規格全体の必須特許の数)の、根拠を、確認したか。過剰宣言を、除いているか
比較対象比較可能なライセンスが、あるか。特殊な要因を、アンパックしたか
LTAとAFA誰が、ライセンスを受けるか。二重取りを、防ぐ条項があるか
専門家弁護士、弁理士、経済分析の専門家に、早期に相談したか

9. ケーススタディ(架空の例)

以下は、イメージをつかむための架空の例です。実在の企業・案件ではありません。

通信モジュールを製造する部品メーカーA社に、SEPの権利者B社が、ライセンスを提示しました。B社は、完成品メーカーC社の完成品価格(600ドル)の5%(30ドル)を基準にして、部品の価格(25ドル)に対して、「実質的に、120%に当たる」と、説明しました。

  • A社は、「部品に対する比率が、100%を超えるのは、計算上の見え方にすぎず、誰が、どの階層で、支払うかは、別の問題」と、整理しました。
  • A社は、B社の累積ロイヤルティ率(5%)に、寄与率が、すでに織り込まれているか、別に掛けて、二重計上していないかを、確認しました。
  • A社は、C社が、すでに、B社とライセンスを締結している場合の、二重取りを防ぐ条項を、契約に、入れました。

ポイントは、見かけ上の比率に、惑わされないこと、寄与の二重計上を避けること、ライセンスの主体と二重取りを、契約で整理することです。


10. よくある質問(FAQ)

Q1. 累積ロイヤルティ率は、どれくらいですか?
事案によります。確認できる例は、3Gで5%(日本、2014年)、LTEで、約6〜10%(英国、米国、中国、日本)、5Gで、4.341〜5.273%(中国、2023年)です。

Q2. 部品に対して、100%を超えるロイヤルティは、妥当ですか?
完成品の対価の絶対額を、部品の価格で割ると、見かけ上、100%を超えることがあります。これは、計算上の説明で、法的な原則として、確立しているわけでは、ありません。実施者側は、部品ベース(SSPPU)の算定を、主張します。

Q3. 「寄与率」とは何ですか?
製品の売上や利益に、規格への準拠が、どの程度貢献しているかの割合です。2014年の日本の判断では、売上高に、独立して掛ける要素でした。2025年の判断は、総ロイヤルティ率に、寄与を織り込む整理で、寄与率を、重ねて掛けると、二重計上になるとしました。

Q4. 2014年と2025年の判断は、矛盾していますか?
裁判所は、2014年の判断と、2025年の判断を、当事者の主張立証と、規格の違いから、単純に比較できないとしました。2025年の判断は、2019年の知財高裁大合議判決の枠組みと、国際的な裁判例の動向を、踏まえています。

Q5. 世界の裁判所は、トップダウンを、採用していますか?
国と事案によります。英国とインドは、比較方式が中心です。中国と日本は、トップダウン型の算定が、中心です。ドイツでは、比較対象が不足する場合に、トップダウン分析が、行われた例があります。

Q6. Avanciは、世界標準ですか?
Avanciは、完成車メーカーを相手とする、車両単位の定額で、広がっています。ただし、LTAとAFAの議論は、確定しておらず、世界標準とまでは、言えません。

Q7. 完成品ベースと、部品ベースで、結果は、同じになりますか?
理論上、対価の絶対額が、同じになるように、設計できる、という説明があります。実際には、算定基礎、必須特許の数、累積ロイヤルティ率、寄与の扱いなど、前提によって、結果が、異なります。


11. まとめ

  • 算定は、基礎(完成品か、部品か)と、手法(トップダウンか、比較か)の、組み合わせで、争われます。
  • 累積ロイヤルティ率は、数%〜10%程度の例が、多く確認できます。
  • 「完成品で数%、部品で100%超」は、対価の絶対額を、部品価格で割った、計算上の見え方で、法的な原則では、ありません。
  • 日本の2014年の判断は、売上寄与率と**累積ロイヤルティの上限5%**を、別々に掛けました。2025年の判断は、総ロイヤルティ率に、寄与を織り込み、寄与率を、重ねて掛けることを、二重計上として、退けました。
  • 世界の判断は、比較方式が中心の国と、トップダウンが中心の国に、分かれます。Avanciの実務は、LTAとAFAの議論の決着では、ありません。

今後のウォッチポイント

  • 日本の裁判所の、総ロイヤルティ率の考え方の、上級審での扱い
  • 東京地裁のSEP調停で、トップダウンと比較の併用が、どう運用されるか
  • 5G、6Gでの、累積ロイヤルティ率の判断
  • 英国最高裁の、Optis v Appleの判断
  • IoT、自動車での、算定基礎(定額、率、部品ベース)の動き

参考資料

日本

海外の判断

プール・料金

本記事について
本記事は、一般的な情報提供であり、特定の案件についての法的助言ではありません。裁判例、制度、料金、各社の運用は変更されることがあります。重要な判断をする際は、必ず一次情報と、専門家の助言をご確認ください。誤りや更新が必要な点にお気づきの場合は、(連絡先・問い合わせ方法)までご連絡ください。

この記事は、大規模言語モデル(LLM)の支援を受けて作成・編集されたものです。他の言語版は、LLMによる翻訳です。翻訳の過程で、ニュアンスや法律用語に不正確な点が生じる可能性がありますので、重要な判断をされる際は、日本語の原文と一次情報をご確認ください。

Sponsored

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次